私たちは、こんな子どもたちを育ててゆきたいと思っています。
大崎幼稚園の園庭にはいろいろな木が育っています。桃や椿、キンモクセイ、キンカン、モミジなど・・・。ある園児はキンカンの実が大好きです。ある朝、その子はまだ青く小さい実が落ちてくるのを「タイコバシ」にすわってじっと待っていました。そしてしばらくすると、砂場にあったおもちゃを持ってきてキンカンの木の下に置いたのです。どうやら自分ひとりでじっとキンカンの実が落ちるのを待っているだけでなく、おもちゃの中にも落ちてくるのを待っているようなのです。
また砂場の土は泥だんごづくりに使われたりもします。泥だんごをとてもうまく丸く固めることができた園児は、その宝物がだれかにふまれて壊れてしまうのではないかと心配でなりません。そしておかたづけの時間になってもおもちゃのかたづけはそっちのけで、あっちにいったりこっちにきたりと、なんだかわけもなくうろうろしているように見えます。大人たちには叱られてしまいそうですが、でも実は頭の中では、どこかに泥だんごの良い隠し場所はないかと一生懸命に考えを巡らせているようなのです。
このような遊びの中での自発的な試行錯誤によって、子どもたちはその「深く考える力」を、発達の段階に応じて無理なく自然に鍛えているのだと思います。その時の様子は、もしかすると私たち大人には怠けているだけのように見えたり、意味がわからない行動をしているように感じられたりするかもしれませんが、子どもたちの心や頭の中にはとても大切なことが起っているのだと思います。
子どもたちの心にあるさまざまな感情や、頭の中で懸命に考えを巡らせていることを想像し、尊重し、その気持ちに寄り添っていくことのできる、そんな幼稚園を私たちはめざしています。
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